2019年1月17日 20:00
“平成の30年間”は「昭和と同じ手法」で失敗の連続だった!?
実質賃金は下がる一方。労働市場は正規雇用と非正規雇用の格差が広がりました。第2次安倍政権以降は長期政権になり、安定しているといわれますが、政治と金の問題は解決せず、アベノミクスで恩恵を受けたのは一部の人にすぎません。
福島の原発事故も、平成の大惨事でした。日本は原発の輸出を計画していましたが、フランスやトルコは反原発体制に舵を切り、エネルギー政策は転換期を迎えています。
この30年の間に、世界で戦っていた日本の家電や車産業も、いつの間にか中国や韓国に追い抜かれてしまいました。その背景には、国も企業も既得権益に固執し内向きになっていったこと、デジタル分野など新しい産業、若い起業家を後押しする姿勢になかったことが挙げられます。昨年は企業不祥事、パワハラ、#MeTooなども表出しました。
そんななか、失敗を払拭するかのように、平成最後に打ち上げたのが、東京オリンピックと大阪万博。昭和と同じ手法です。いまこそ平成の問題をきちんと検証し、膿を出しきり、次の改革へ踏み出せたらと思います。
ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。