くらし情報『「カメ止め」上田慎一郎の処女作が再発売 本人が読み直して驚いたのは?』

2019年1月19日 20:00

「カメ止め」上田慎一郎の処女作が再発売 本人が読み直して驚いたのは?

「当時、アメブロに〈奇妙な辞書を創るブログ『あっちの世界の辞書』〉をやっていました(現在も閲覧可能)。この世界の理屈には一応合致するようなリアリティを持たせながら、どこまで変わった出来事にできるか。そのさじ加減は意識しました。あやねは、不条理を淡々と受け入れてしまわず、いちいちツッコむタイプ。読者と同じ目線なので、置いてけぼりにならずにこの奇妙さを楽しんでもらえると思います」

加えて、上田さんのストレートな感情がほとばしるような表現によって、心を揺さぶられる箇所が数多く。

「女子高生の声を借りて自分がしゃべっているみたいな状況が、むず痒くもありましたけれど、半分は自分がそう信じたくて書いたところもありましたね。(ペンライトで)〈あたしはその「不安」の顔を見ることができない〉とか〈世界がどうあろうと、あたしはあたしのやるべきことをやるだけだ〉とか」

注目監督の頭の中をのぞき見る感覚。読んで、眺めて、楽しめる。
「カメ止め」上田慎一郎の処女作が再発売 本人が読み直して驚いたのは?


上田慎一郎illustlation 上田悠二『ドーナツの穴の向こう側』23歳のとき短編小説「パンダレモン」を執筆。それを書き直す形で本書を完成させ、24歳で出版。その作品を、ほぼ手直しなしで再刊行。

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