2019年2月11日 19:30
「ディスる」「クソうまい」はヒップホップから!? 宇多丸が解説
「例えば韻を踏むにしても、英語なら『er』の発音一発だけで韻を踏んでいるように聞こえるのに、日本語はしゃべり言葉を成り立たせている音の要素が少ないから、何文字も踏まないと韻を踏んでいるように聞こえない。それに、日本語は『○○じゃない』とか結論があとにくるのも難しいところ。語尾が同じような言葉になって、韻を踏みにくいんです。だから、うまく踏もうとすると、当然、倒置法が増えてくる。昔はそれで言葉の意味がちゃんと伝わるのか疑問もあったけど、いまの子たちは倒置法のラップをリアルタイムで理解できるそう。そもそも“日本語ラップ聞き取れ脳”になっているんです!」
それだけ、物心がつく頃から日本語ラップを聴きなれている世代が増えたということ。
「それこそ『ディスる』なんて、もともとヒップホップからきている言葉ですからね。あと、ちょっと前は言わなかったと思うけど、『クソうまい』とか『クソ○○』って強調の仕方は、英語の『Fuckin’○○』に近くて、ものすごいラップっぽい。
ラップ/ヒップホップ的な表現は、一般にも意外と入り込んでいますよね」
日本語ラップは、日本語の感覚自体を変える言葉のチカラがある、とも。