他愛ないことでも切実なんです」
そんな体で書かれたエッセイは、回を重ねるにつれ、「友人からは『最初はあるある話だったけど、だんだんサヤカちゃん特有の世界になってきたね。そこがいいんだけどね』と、とってつけたような褒め言葉をもらうように…」
だが、三十路になってから自分の恋愛ブレーキが高性能すぎて恋ができないという悩みや、産むか産まないかにいつまでも揺れていていいのか問題など、女性の共感を誘うテーマもいろいろ。村田さんの素直な心情が綴られているだけに、首をぶんぶんと、ヘッドバンギング並みに振ることになるかもしれない。
「実際に、自分が30代の地平に立ってみると、20代に求められるきゃぴきゃぴ感は求められずにすむし、『もう、どう見られてもいいや』と自由になれている面もいろいろある。大人だからこそのチャレンジもできる。少しずつ生きるのがラクになっている気がします。そんな気持ちを包み隠さず書いたので、読んでほっとしてくれればうれしいですね」
かつては、憧れの山田詠美さんが書いた小説からだけでなく、エッセイからもさまざまなエールを受け取っていたという村田さん。
「私の場合は、そんなステキな姉御感はないのですが…。