2019年3月2日 18:30
女ひとり放浪旅…先住民族との暮らしや修行僧生活、涙々の壮絶体験。#73
朝起きるときも、まだ寝ていたいなぁ、面倒臭いなぁといつも思っています。“もっといい人間になりたい”と思うから、こうして修行しているわけで、どんなに坐っても勉強しても働いても、そんな私がそもそも仏だ、なんてとても思えないんです」というずっと抱いていた困惑をストレートにぶつけたのです。
すると老師が、身体全体の慈しみが溢れ出るような思いやりに満ちた目で私をじっと見つめ、ただ「素晴らしい……」「美しい……」と言いました。私を全く否定せず、全身全霊で、ただともに居てくれたのです。それはたった2分程度だったでしょうか。でも、「これが今ここにあるというマインドフルネスの力なのか」、そして「良い悪いと判断せず、ありのままの現実を思いやりの心で見るということが、こんなに癒しになるんだ」と理解するのに十分でした。老師は、本当に包み込むような圧倒的な優しさとエネルギーを持つ美しい人です。
頭での理解を超える体験。
その体験は、言葉ではうまく言い表せないのですが、頭での理解を超えて、「なるほど」が身体の芯部から突き抜けていくようでした。その日から、私は老師とウパヤ禅センターと恋に落ちたのです。
クリスマスには車で2時間ほどいったアメリカ先住民が暮らす集落(プエブロ)