2019年3月7日 20:50
環境や社会問題はファッションでも 搾取・貧困に目を向けた26歳の挑戦
連載「社会のじかん」で、いつも世の中のことを教えてくれる、ジャーナリストの堀潤さん。今回、これまで取材で出会った数多くの人から、特に、若くして今の社会の問題に気づいた人物に再取材。“愛を仕事にする”ことについて迫ります!
誰かの犠牲で成り立つファッションはいらない。
鎌田安里紗さん、26歳。高校進学と同時に16歳で徳島県から単身上京。高校に通いながら渋谷109のショップで働き、ファッション誌のモデルとしても活躍してきました。現在の肩書はエシカル・ファッションプランナー。慶應義塾大学の博士課程に在籍し、同大学総合政策学部の非常勤講師も務めています。
エシカル・ファッションとは、自然環境や生産者に配慮して作られた洋服などのこと。かつて、バングラデシュでは、安い洋服を作るために女性たちが劣悪な環境で働かされていた工場が倒壊し、多くの犠牲者を出したことがありました。アパレルメーカーが、経済的に貧しい国の人々を安い賃金で使い倒していたことが、大きな問題となったのです。
鎌田さんがこの問題に関心を持ち、学び始めたのは17歳のころ。洋服のデザインに関わるようになったのが、きっかけでした。
「企画の仕事を自分でするようになって、お洋服のデザインをする部署に交ぜてもらって服を作るんですが、イメージを決め、パターンに合わせて生地のサンプルを選んで発注すると、ポーンと服になって返ってくるんです。