2019年3月23日 19:50
知りたくなかった怖い話…残業のない会社に隠された知りたくなかった怖い話…残業のない会社に隠された「恐怖の秘密」 #7
と、女性がヒールを履いて歩いているような足音が小さく聞こえた。
「やっぱり他の部署でも、残業してる人いたんだ」と、Kは思った。
帰り支度を済ませて廊下に出ると、非常用の蛍光灯以外は消灯されていてびっくりするほど暗かった。「さすがに暗い夜の会社はいい気がしないな」早く帰宅しようと思い、出口の方向に向かうと……
「カツ―ン、カツ-ン」
同じフロアに人はいないのに、どこからか、また自分以外の足音が聞こえる。「別のフロアから聞こえるのか……?」なんだか気味が悪い。しかも奇妙なことに、Kが歩き出すと、
「カツン、カツン、カツン」
さっきより足音が大きくなった。
「え……?こっちに向かって来てる?」
そう思った時、
「カツ、カツ、カツ、カツ、カツ」
足音はさっきより早くなって近付いてきた。Kはゾッとして、速足で出口に向かった。
するとその足音も……
「カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ」
速くなって追いかけて来たのだ!
他には誰もいないのに、足音は異様な速さでどんどん近づいて来る。
「誰かが追いかけてきている……!」
足音はとうとうKに追いついて来て、背後まで迫ってきた。