2019年5月17日 20:40
犯人自ら激白…「若年犯罪者たち」が語る現代社会の重圧と心の闇
つまり、ギブアンドテイクのような感じだね。そうやって信頼し合える関係を築いていったんだ。
ただ、彼らにとってはすべてを吐き出すことで楽になれるから、セラピーのようだったかもしれないね。とはいえ、セラピストが僕と違うのは一線を引いているところ。セラピストは自分のことは明かさないからね。
―そのような方法を取ったからこそ、彼らと密なやりとりができたとは思いますが、実はいま日本では死刑囚とジャーナリストが獄中結婚したことが非常に話題となっています。少しケースは違うとは思いますが、監督も取材対象者に心を開きすぎるあまり、相手に共感しすぎてしまうようなことはなかったですか?
監督それはすごく興味深い話だね。僕も彼らのことを知っていくうちに感情移入をしていったけれど、必要以上に同情的な視点で描こうとはならなかったよ。
もしこれがドキュメンタリーだったらプロセスが異なるから、もう少し違った結果が生まれたかもしれないけどね。というのも、今回は「実話を伝える新しい手段」というのを求めていたからなんだ。
自分もその場にいたら計画に参加していた
―では、彼らに対してはどういった思いを抱いていますか?
監督彼らはバカげた行為によって人生を無駄にしてしまったところもあるけれど、刑務所で7~8年も過ごして十分に代償は払ったと僕は思っているよ。