2019年5月22日 20:40
女王蜂「こんなバンド、世界中探してもどこにもいない」結成10年を振り返る
自分自身そういう作品に引き寄せられることが多いし、私にとってはまったく無理のないアプローチでした。ただ私は職業作家ではないので、作品の意図を汲むことはできません。書き下ろしではなく、女王蜂として歌い続けていきたいと思って作った曲を、提供させていただきました」
この『十』の中で、個人的に心揺さぶられたのがタイトル曲の「十」だ。家族や郷里に別れを告げ、遠くの町に旅立つ、というテーマは普遍的なものだけど、独創性豊かな言葉で綴られるリリックに、胸が痛むほどの痛烈なセンチメンタルを感じる。
「バンドがないと生きられないというか、紆余曲折あって当たり前というか……。当然いろいろあったんですけど、乗り越えなければいけないと思って生きてきました。クリスチャンの方が苦難に遭ったとき十字架を握りしめるように、私はこの10年、音楽活動を握りしめることで、生きてこられたと思う。『十』は十字架の十でもあるし、この曲は泣くほどの悲しみを正直に込めないと、出してはいけない曲だと思っています。
こんなふうに私が作った曲を、メンバーが具現化してくれることに感謝しています。前からうすうす感じていたけど、こんなバンド、世界中探してもどこにもいない。