2019年5月31日 19:00
原爆、天皇制、憲法9条も…新“芥川賞作家”の新作はSF?
進歩は決して幸福と同義ではない。
「技術が進むほどに、倫理的に判断できない事柄が増えていると感じています。それらに関する巨大な疑問を作品化したといえますね」
では、未来の人造人間に与えられた唯一の感情を寂しさにしたのは?
「10代の頃、引力って寂しさだなと、ポエムっぽく考えことがあって(笑)。あらゆる物質がバラバラだったら何も起こらない。人間も寂しいから活動し、誰かを求める。それは物理学的に言えば引力だな、と。そんな幼い頃の考えをひきずっています」
うえだ・たかひろ作家。1979年、兵庫県生まれ。
2013年「太陽」で新潮新人賞を受賞してデビュー。’15年「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞、’19年「ニムロッド」で第160回芥川賞受賞。
『キュー』突然拉致された平凡な医師が知る、軍人であった祖父の秘密、この世界の裏側の戦い、そして人類の未来とは?壮大な景色が広がる超大作。新潮社2300円
※『anan』2019年6月5日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世
(by anan編集部)
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