2019年5月30日 19:40
初恋、母の不倫、友人の事故…少年が経験した衝撃のひと夏の思い出
それから、私自身も母親と非常に密接な絆があったので、そういう意味でも似ていると言えるでしょう。ただ、映画に出てくる両親に関するエピソードは、実際の話ではありませんよ。
そのほかに、当時を反映しているといえば、子どもの目線から見た大人の女性たちの世界。昔はいまよりも遅い時間まで仕事をしていなかったこともあり、他人が家に集まることもよくありました。そんななかで、大人の女性たちがどのように振る舞うのかというのは、自分の目でよく見ていたと思います。
人は初恋や人間関係を通して大人になっていく
―本作では、ピョトレックが大人への階段を上る瞬間が映し出されていると思いますが、監督にとっても、“大人への通過儀礼” だったと感じるような出来事はありましたか?
監督あるひとつの具体的な瞬間というのを覚えているわけではないですが、私はゆるやかに話し方や考え方が変わっていき、いつの間にか大人になっていったと感じています。
というのも、この映画ではひと夏ですべてが起きてしまうように描かれていますが、通常はもっと長い時間をかけて変わっていくものですよね。つまり、初恋や大人たちとの関係性を通してだんだんと変化していき、あるとき別の観点から世の中を見ていることに気がつくものなのです。