くらし情報『川上未映子が描く二度と戻れない時期「思春期直前の世界」とは?』

2015年11月17日 12:00

川上未映子が描く二度と戻れない時期「思春期直前の世界」とは?

かわかみ・みえこ作家。2008年に『乳と卵』で芥川賞を受賞した後も、出版する本のほとんどが何らかの賞を受けるという当代屈指の存在。出産・育児エッセイ『きみは赤ちゃん』も反響を呼んだ。

かわかみ・みえこ作家。2008年に『乳と卵』で芥川賞を受賞した後も、出版する本のほとんどが何らかの賞を受けるという当代屈指の存在。出産・育児エッセイ『きみは赤ちゃん』も反響を呼んだ。

「人生において、男だとか女だとかのラベリングなく、たましいのまま世界を見ることができる本当にイノセンスな時期は限られています。

未性の時期というのかな、誰もがそこにずっととどまることはできないのだけれど、私たちは確実にそこを通ってきた。
私自身、当時の幸福な記憶の余韻だけで生きているところがあるんですが(笑)、そんな愛しいひとときへの、私自身の“憧れ”がこの物語を書かせた気がします」

川上未映子さんの4年ぶりの長編小説『あこがれ』は、整形疑惑のある個性的な顔をしたスーパーのサンドイッチ売り場の女性に強く引きつけられる10歳の少年・麦彦を軸にした第一章「ミス・アイスサンドイッチ」と、その2年後の第二章「苺ジャムから苺をひけば」からなる。第二章の主人公は、あるとき、半分だけ血のつながった姉がいることを知ってしまった12歳の少女ヘガティー。不思議な存在感を放つ年上の女性への、あるいはまだ見ぬ姉への、素直な憧れがみずみずしく描かれる。

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