やしろ・あき熊本県八代市出身。1971年デビュー。
1973年に出世作『なみだ恋』を発売。『愛の終着駅』『舟唄』『雨の慕情』など多数のヒット曲を持つ。2012年にはジャズアルバム『夜のアルバム』をリリース。邦人アルバム史上最大級となる世界75か国で配信された。
実に40年以上「日本の心」を歌い続けてきた八代亜紀さん。流行歌手と呼ばれていたデビュー当時、プロであればどんなジャンルも歌えるのが当たり前だったそう。
ジャンルが細分化された現在も、演歌にとどまらずジャズやロック、ポップスなどあらゆる音楽を「八代節」で歌い上げる彼女が、初のブルースアルバム『哀歌 -aiuta-』をリリース。プロデューサーに寺岡呼人さんを迎え、日米の名曲カバーだけでなく世代の異なる個性豊かなミュージシャンが新曲を提供した充実の内容だ。
ブルースの魂が八代さんに脈々と息づいていることを感じさせてくれる、濃密なインタビューをどうぞ!
――まずは、なぜこのタイミングにブルースアルバムをリリースしようと思ったのでしょう。
八代:日本人である私にとってのブルースは、浪曲なんです。浪曲はひとりでセリフを言ったり歌ったりするんですけど、寝るときいつも父に聴かされて、その声音というか音の魂を感じて2歳のアキちゃんは意味もわからないのに「カワイショウだね」