くらし情報『ボルタンスキー回顧展 死生観から生まれる独創的な作品の数々』

2019年6月24日 18:30

ボルタンスキー回顧展 死生観から生まれる独創的な作品の数々

フランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの50年にわたる創作活動を紹介する国内最大規模の回顧展が始まった。

人の痕跡を日用品から。ボルタンスキーの大規模回顧展。
ボルタンスキーは日本とも縁が深く、近年では「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」にも参加。また2008年からベネッセアートサイト直島にて展開されている≪心臓音のアーカイブ≫は、人間が生きた証として人の心臓音を採録するという斬新なプロジェクトだ。他にも、越後妻有の廃校を使ったインスタレーションや、ドキュメント映像など、様々な作品を日本で発表してきた。

作品の根底にあるのは、どれも人間の存在を訴える悲痛な叫びだ。原点は彼の生い立ちにある。
1944年、ナチスの占領時代が終わった直後のパリで生まれたボルタンスキー。ユダヤ人である彼の父親は、迫害を逃れるため母親と偽装離婚し、家の床下に隠れ住まなければならなかった。終戦後、周囲から聞かされた強制収容所の話など、幼少時の経験が彼の生涯のトラウマとなる。

例えば‘87年に発表された≪保存室(プーリム祭)≫。電球と子供たちの白黒写真を祭壇風に設えたこの作品は、使用されたブリキ缶が骨壺を暗示していて、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)

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