2019年6月28日 17:00
生き方に共感…100年前のキャリア・ウーマンがつくったものとは?
また、19世紀半ばに設立されたフィンランドの美術学校は、当時のヨーロッパでは珍しく、創立当初から男女平等の美術教育を行い、女性たちは奨学金や留学のチャンスもつかみ、芸術家としての道を切り開くことができたそうです。
開会式には、フィンランドの前大統領タルヤ・ハロネンさんも出席。同国初の女性大統領として活躍されたハロネンさんは、この女性芸術家たちについて、「仕事との両立が難しい時代に、彼女たちは友情を通してお互いを支え合い、世界の中で先駆者となった」とその偉業をたたえました。
生き方にも注目!
それでは、展示室に入ってみます。7人の芸術家たちが時代順に並び、彼女たちの写真とプロフィールも一緒に紹介されています。
日本では、あまり紹介される機会のなかった作家も多いので、まずはプロフィールを読んでから作品を見たほうがよさそうです。
例えば、こちらはシーグリッド・ショーマン(1877-1979)のコーナー。彼女は美術学校で学んだあとデビューし、イタリアやフランスにも滞在。フィレンツェでは、画家仲間のエレン・テスレフと一緒に制作しています。
ショーマンは、この展覧会で紹介されている女性芸術家のなかで唯一子どもを持った人ですが、パートナーが結婚前に亡くなってしまったため、未婚のシングルマザーとして仕事をしながら娘を育てたそうです。