2019年7月6日 10:30
井浦新、監督の妻・遠藤久美子に「キスしちゃおうかなと思いました」
ーー父親を演じた鶴見辰吾さんが共演シーンについて、映画の公式サイトで「お互いに顔合わせはおろか、挨拶もなかった」とおっしゃっていました。この映画ならではの撮影現場の工夫は?
井浦さん ほぼ順撮り(物語の流れ通りに撮影をしていくこと)でしたから、彰さんと僕は父親を捜す旅を通じて、役が仕上がっていました。鶴見辰吾さんは僕らとなるべく顔を合わせないようにしていましたし、テスト撮影や挨拶すら行いませんでした。スタッフの方々が万全の態勢を整えて、僕らが張り詰めた兄弟の気持ちを一発勝負のライブで出せるように撮ってくれて。鶴見さんとの共演シーンの僕らは芝居ではなく、勝手に心が動かされて出てきた言動なんです。鶴見さんにもセリフが用意されていなくて。何が行われるか、全くわからない状況で撮影に挑みました。
ーーお三方の熱演を観て、監督が感動のあまり泣いていたとか?
井浦さん 横尾監督が泣いて崩れちゃうものだから、なかなかカットの声がかからなくて長いシーンになりました(笑)。
撮っているときは、僕らも冷静ではいられませんでした。こういう状況で役者にお芝居をさせるのは、横尾監督も勇気が必要ですから、とても貴重な経験でした。