くらし情報『女性の脳はスポンジ素材!? 偉人達の「トンデモ女性観」を描いた絵本』

2019年7月6日 19:00

女性の脳はスポンジ素材!? 偉人達の「トンデモ女性観」を描いた絵本

三浦:著者は、放送作家として社会派番組を長年担当してきた人。取材してきたことを淡々と出しているような文体だから、読者は自分を投影しやすかったのかも。同じ韓国の『娘について』は女性問題全般の話で、60代のお母さんが語り手なんです。娘は大学院を卒業したのに、仕事が不安定。介護職に就いている母は、グローバルな活動家だった認知症の高齢女性を世話しているんですけど、周囲は雑に扱うのを見て、女性としての行く末にものすごく危機感を抱くんです。作者は1983年生まれなので、普通は娘視点で書くのではないかと思いますよね。ところが、母視点で書いているのが実に新鮮です。女が母や祖母の世代から受けてきたいろんな迫害が、彼女のなかにも染み込んでいるんだなと感じました。


瀧井:たとえばセクハラとかマウンティングって言葉がなかった頃は、もやもやしてもうまく言えなかったし、ひと昔前はストーカーの被害に遭っても「そんなに愛されてよかったね」で片付けられていた。そういう現象が言葉にされることによって、理不尽に思っていいのだと気づき、もっと積極的に知りたいっていうのが、今の流れなのかもしれませんね。三浦:ジェンダー小説と銘打っていなくても、男女間の問題を描いた作品は日本にも以前からありますよね。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.