2019年7月15日 19:00
シェアハウスの住人が隠す“爆弾的”秘密…漫画『水は海に向かって流れる』
今回のように雑誌の掲載話ごとにネームを描き、物語を詰めていく一般的な進め方は、手探りな部分が多いようだ。
「描きたいシーンはなんとなくあるけれども、お話はキャラクターが持ってきてくれるんです。榊さんが最初から不機嫌そうだったのは、こういう理由だったのか、と後々になって私自身もわかりました」
明かされたら関係性が変わってしまいそうな、爆弾的秘密を抱えて進む物語は、冷静に考えると結構重い。その秘密をシェアハウスのメンバーの誰が、どこまで知っているのか、何気ない会話の積み重ねで徐々に見えてくる様は、ミステリーのような緊迫感をはらんでいる。しかし必要以上に重くせず、ほんわかとした雰囲気すら漂っているところは、田島ワールドここにありといった感じで、思わず頬が緩んでしまう。
「自分としては、定番の物語を詰め込んでいるだけで、奇をてらっているつもりは全然ないです。何かしら問題を抱えていたり、過去に囚われていても、そればかり考えて生きてるわけじゃない。日々笑ったり、ちゃんと働いて税金も納めているんだよってことじゃないでしょうか」
隠喩的な本作のタイトルに関しても「描いていくうちに、だんだんわかってくるんじゃないかなぁ」