2015年11月24日 20:00
たった16ページの本! 短編一編ずつの美しいデザイン文庫
左から『走れメロス』太宰治、『注文の多い料理店』 宮沢賢治、『白』 芥川龍之介、『変な音』 夏目漱石、『堕落論』 坂口安吾、『檸檬』梶井基次郎、『手袋を買いに』 新美南吉、『高瀬舟』 森鴎外
今年7月に広告代理店を退社した牧野圭太さんが設立したデザイン会社「文鳥社」。その取り組みのひとつが、短編を一編ずつ本にした文鳥文庫。長くてもたった16ページだ。
「もともと本が好きで、スマホやSNSの普及により本があまり売れなくなったことが少し残念でした。短くてもとても深い物語はたくさんありますが、短編集になると分厚くなり、読まれないものもある。忙しい今の社会でも、物語に触れるきっかけができたらいいなと考えました」
紙媒体で読む魅力は「手元に存在していること」と牧野さん。
「電子書籍は、情報が固定されていません。紙は情報を“そこに固定する”ことができる。
だからモノとして大切にしたくなると思います」
慈しみたくなる美しさと繊細さがあるこのシリーズ、デザインは博報堂の柴田賢蔵さん。第一弾の8作は、牧野さんセレクトの古典名作。今後もラインナップを増やしていく。
◇現在、主なお店は代官山の蔦屋書店と下北沢の本屋B&B。