くらし情報『『君の名は。』で批判受け…新海誠が『天気の子』で目指したこととは?』

2019年8月3日 19:30

『君の名は。』で批判受け…新海誠が『天気の子』で目指したこととは?

もう一つは逆に、彼らがもっと怒るような映画にする。新海さんが選択したのは、後者でした。

「人はたぶん、どうでもいいことには怒りませんよね。もし僕の中に何か作家性のようなものがあるとしたら、そこに彼らを怒らせた何かがあるんだろう、と。ならばそこをもっと追求したいと思い、『天気の子』の制作に取り掛かりました。まあ僕は、あまのじゃくなのかもしれません(笑)」

その思いの延長線上に見つけたのが、10代の、『君の名は。』の瀧と三葉と同じくらい若い主人公とヒロインでした。

「もともと僕はアニメーションをはじめとするエンタメは、悩める10代の人のためのメディアだと思っていて。
なので、思春期の人たちが共感できる同世代のキャラクターを出すことは、僕の作品作りの前提条件の一つです。それから『君の名は。』に関して批判を浴びたとき、僕は“社会”から何かを言われたような気持ちになっていたんですが、ただよく考えれば“社会”というのは概念であり、いろいろ言っているのは、その中の個々人なんですよね。SNSなんかを見ていても、毎日誰かがどこかで揉めていて。人はそれを眺めて娯楽として消費している場合もあるし、正義感から立ち向かうこともあるだろうけれど、でもそれもある種の消費の形であって。

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