2019年7月31日 19:30
夫を亡くした女性は…インド階級差別社会の「悲惨な現実」
あくまでもその人が置かれている状況による問題について取り上げているのよ。
特に、いまインドで増えているのは、ラトナのように田舎から都会へ働きに行く“国内移民”と呼ばれる人たち。ところが、実際は賃金の低い働き口しかないので、彼らは低いクラスに入れられてしまうのよね。
2人の関係をより興味深いものにしたかった
―では、ラトナを未亡人の設定にしたのはなぜですか?
監督理由はいくつかあるけれど、まずはラトナというキャラクターが田舎から都会に働きに行くうえで、一番あり得る理由であり、それがリアルだったからよ。父権主義が強いインドでは結婚するまで父親の家に住み、結婚すれば夫の家庭に入るのが普通なんだけれど、夫がいなくなってしまったら、妻は居場所もなくなってしまう。となると、都市に行くことが実用的な選択となるだろうと考えたのよ。
それと、彼女を未亡人にしたことによって、ラトナとアシュヴィンの関係がより興味深いものになると思ったから。お互いに何らかの形で相手を失くしている2人なので、そこで通じ合う部分も生まれてくるわよね。
あとは、19歳で未亡人になったラトナが、「どうしてこんな若い年齢で自分の人生を諦めないといけないのか」