2015年11月27日 20:00
今年の邦画で1番? 橋口亮輔の7年ぶり新作「恋人たち」
主人公を演じるのは無名の新人。脇を固めるベテラン勢に全く引けをとらない演技に、ラストは感涙。監督&脚本/橋口亮輔 出演/ 篠原篤、成嶋瞳子、光石研ほか テアトル新宿ほかで全国公開中。
オネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんの映画評。今回は、よしひろさんが2015年邦画ナンバーワンと言ってはばからない映画『恋人たち』です。
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最近の邦画ってハリウッドや韓流の焼き直しに見えてしまうのはあたしだけ?昔の邦画には世界に打って出るオリジナリティと日本でしか作り得ない傑作がたくさんあるっていうのに、近頃スペクタクルとかラブとかにこだわりすぎてる気がするのよね~。そんなモヤモヤを一気に解消してくれたのが橋口亮輔監督、7年ぶりの新作『恋人たち』よ!
通り魔事件で妻を失い、心の傷を癒しきれないアツシ。平凡な生活に飽きているところに、外の世界を教えてくれる男が現れて心が揺れる主婦・瞳子。完璧主義ゆえに人への気づかいには欠ける弁護士・四ノ宮。この3人と、彼らをとりまく人々との関係性を描きながら、現代社会に巣くう絶望と希望をあぶりだしたのが本作。単純な感想は出ないし、人によって見どころも変わる群像劇なんだけど、ホンットこれ大傑作。