くらし情報『『かもめ食堂』の荻上直子が新刊 ワケありな人々の“涙腺刺激”物語』

2019年8月23日 18:30

『かもめ食堂』の荻上直子が新刊 ワケありな人々の“涙腺刺激”物語

なかでも、仕事らしい仕事もせず小さな畑で野菜を育てている隣人の島田は、厚かましいところはあるが、そのお節介ぶりが山田の救いになっていく。

「いわゆる世間から落ちこぼれた状況にいると、互いによそよそしくて隣人が何をしているかもわからないという方が現実には多そうですが、私は『むしろこんな人情があったらいいな』と思ってしまう。私の映画がどこかファンタジックだと言われるのはそういうところかなと」

また、山田は社会復帰早々、行政担当者から、ずっと会っていなかった父親の遺骨引き取りを打診される。死んだ父親に対する複雑な思いが、周囲とのつながりを経て少しずつ変わっていくのも読みどころだ。

「脚本の場合は、登場人物の心理を多く語らず、むしろ彼らが何をするかで表現します。でも小説ではもっと彼らの心理を突き詰めねばならず、自分でもわかってなかった部分が発見できました。映画を撮るのはこれからなので、小説を書き上げたことで、撮る映画も何か変わった部分があるかもしれないです」

涙腺をツンツン刺激してくるこの小説。映画でも絶対観たい!

『川っぺりムコリッタ』 30歳の誕生日を刑務所で迎え出所してきた山田。

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