2019年8月23日 19:20
「日本のアニメには誰も到達できない」フランスアニメ界の巨匠が語る理由
というのも、日本のアニメ作家たちというのは、どの階級の人たちにも興味を抱かせるアニメを作り出し、子どもだけではなく大人の観客にも響くような世代を超えた作品を生み出しているからです。
同じことをほかの国のアニメ作家たちもやろうとはしていますが、なかなかできず、日本ほど成功していません。
私がデビューした80年代頃から『マジンガーZ』などが大ヒットし始めて、日本のテレビアニメが世界を席巻しましたが、そういった影響もあって、僕が一緒に仕事をしている若い子たちや生徒たちの頭のなかは、日本のアニメでいっぱいなんですよ。
たとえば、フランスでは1週間くらい研修をさせますが、男の子も女の子もみんな日本のアニメのような絵を描いているほど。だから、いまはジャポニズムの第二の波が来ている感じです。
―とはいえ、日本の作品にはない監督の作風も非常に魅力的で、今回はパリの街並みがとにかくリアルで美しかったです。描くうえで苦労した点はどのあたりでしょうか?
監督実はこの作品の背景は写真を加工して作っているので、4年間かけて写真を撮り続けました。ただ、私はパリに住んでいますし、カメラを持って散歩していただけなので、苦労や困難はまったくありませんでしたよ。