くらし情報『ん? “死んだのは誰か”? 道尾秀介、新作『いけない』で初の試み』

2019年9月6日 19:00

ん? “死んだのは誰か”? 道尾秀介、新作『いけない』で初の試み

海岸線に沿って並ぶ白沢(はくたく)市と蝦蟇倉(がまくら)市。その架空の街で起きる事件が3つの章に織り込まれ、終章は全体をくくる大きな謎解きへとつながる。道尾秀介さんの『いけない』は、カタルシスに満ちた技巧ミステリーだ。

架空の街で絡み合ういくつもの事件。二読、三読したくなる面白さ。
ん? “死んだのは誰か”? 道尾秀介、新作『いけない』で初の試み


「本書の第1章にあたる『弓投げの崖を見てはいけない』は、もともとは競作アンソロジーのために書いた中編でした。けれど、自殺の名所になっている崖や死亡事故が多発しているトンネルがある海沿いの土地、生まれ変わりを信じている新興宗教など、舞台設定や道具立てが、僕にとっても魅力的でした。いつかあの世界観を膨らませて書いてみたいと思っていたんです」

第1章は、蝦蟇倉東トンネルの前で起きたある残忍な事件から始まる。
その遺族であり悲しみに沈む安見(やすみ)弓子のもとに十王還命会(じゅうおうかんめいかい)の宮下志穂や、蝦蟇倉警察署の隈島(くまじま)刑事が訪ねてくる。いまだ犯人逮捕に至らない事件をめぐって、物語は二転三転。第1章最大の謎は、死んだのは誰かだ。

「被害者は誰だったのかという点で、地図がすごく重要になってくる。

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