くらし情報『表現の自由を阻んだのは誰? 「不自由展」で考えるべきこと』

2019年10月9日 19:10

表現の自由を阻んだのは誰? 「不自由展」で考えるべきこと

自分たちの生業、会社を守るために、会社が自ら検閲機関を作ったのだ」とおっしゃいました。つまり、表現の自由を阻んだのは権力ではなく、大衆の側。それは今回の「不自由展」にも通じることではないでしょうか。表現の振り幅を窮屈にするのは私たち自身かもしれないと、自覚しておかなければなりません。

現在の香港のように、政府に対して市民が徹底的に闘うケースもあります。日本は民主主義で治安も良く、公権力が介入して、表現の自由が脅かされるケースは多くはありません。ただ過去には、わいせつをめぐり逮捕者が出たり、社会秩序を乱すからと、警察から横やりが入ったことはありました。

表現の自由は、憲法で保障されています。
“公共の福祉”を鑑みて、すべての国民に認められている権利です。公共の福祉とは、互いの人権を侵害し合わない関係を指します。しかし、もしも国が“秩序のために”と表現に制限を加えるようになったら、それは公権力の乱用になります。自由が脅かされていないか?私たちが、注意深く見ておく必要があるのです。
表現の自由を阻んだのは誰? 「不自由展」で考えるべきこと


堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。

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