2019年10月24日 20:30
小林薫「料理もできないような“昭和の男”じゃダメ」『深夜食堂』に新シリーズ
――ドラマが始まったばかりの頃のインタビューを読んだのですが、「予算がないんです、小規模なんです」とおっしゃってたのが印象的でした。
うん、そこは今でも変わらないです。今も予算はそんなに潤沢にはない(笑)。まあだからこそスタート時は、作品の良さがちゃんと伝わるか、とても心配でした。もしも、いかにも書き割りなセットに、年季も入っていないようなメニューをペタペタッと貼ったりしたら、薄っぺらな感じになってしまうんじゃないか、なんてところもとても気になりましたし。
――小林さんが、『深夜食堂』に出演を決めた理由はなんだったんでしょうか?
う~ん…。原作者であるマンガ家の安倍夜郎さんが、ドラマ化にあたって「マスターは小林さんで」っておっしゃったらしいんです。どうやら僕が大昔にNHKのドラマで寿司職人を演じたのをご覧になっていたみたいで、それとめしやのマスターに、通じるものがあったのかな…。
でも、今話したように、この世界をテレビドラマで作っても、奥行きがない浅い作品になってしまう気がして、非常に難しいぞ、と思ったのも事実。その頃、たまたまうちの事務所の若いスタッフが映画監督の松岡錠司さんに、「こんな話があるんですけれど、ご興味ありますか?」