くらし情報『又吉直樹の新刊は『火花』の続編? 青春後のリアルな感情描く『人間』』

2019年11月26日 20:30

又吉直樹の新刊は『火花』の続編? 青春後のリアルな感情描く『人間』

ほどなく住人たちとのいざこざが起こり、それを機に、永山はハウスを出た。だが、18年経ってハウスでもっとも気が合った影島と再会し、またも芸術談議を交わすようになる。芸人であり、発表した小説で芥川賞を受賞した影島は、もっとも又吉さんを彷彿させる人物だ。その影島と、同じくハウスの元仲間で、コラムニストとなったナカノタイチとの間で論争が勃発。その果てに、永山や影島はどんな道を選ぶのか。

「『火花』も『劇場』も主人公が20代のころの話で、彼らが、その後どうなっていくのかを見つめたいというのが『人間』を書くひとつのモチベーションだったんです。若いころに体験した、本人にとっての大きな出来事を、どういうふうに消化したのか、しようとしているのかと」

前2作と比べていちばん自分の体験に近いと、又吉さん自身も認める本作。永山がラストで感じた思いは、いま又吉さん自身が感じている人生のリアルかもしれない。


又吉直樹の新刊は『火花』の続編? 青春後のリアルな感情描く『人間』


『人間』2018年9月から2019年5月まで毎日新聞夕刊に連載。又吉さんにとって初の新聞小説。「緊張もあったけれど楽しかった」と振り返る。毎日新聞出版1400円

またよし・なおき1980年、大阪府生まれ。

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