2019年12月2日 21:00
イケメンを描くのは「すごくつらい」? 板前と庭師のBL恋愛マンガ
小料理割烹で働く元ヤンの板前×寡黙な庭師の、ほのかな恋愛模様を描いた『てだれもんら』について、作者の中野シズカさんに話を聞きました。
元ヤン板前と寡黙な庭師、てだれ者たちの妖しく愛しい世界。
「てだれ」とは、技芸などのその道に熟達していること。
「本作の前に『にわにはににん』という短編集を出していて、その1話目が庭師の話なんです。私はどちらかというと不思議なマンガを描くほうなのですが、編集さんから次は庭師の日常的な話を読みたいと言われまして。もうひとりを板前にしたのは、庭がきれいなところといえば旅館か料亭かなと思ったからです」
小料理割烹で働く元ヤンの板前・星野トオルと、寡黙な庭師の鷹木明は、いつからかお互いの仕事が引けた土曜の夜に、明の家で酒の肴を作って晩酌を楽しむ仲に。トオルは明に対して恋心を抱いているのだが、飄々としている明はその気持ちに、どうやら気づいていないっぽい。
「私は今ほど決まり事があまりないBLを読んできた世代で、想いが募るようなプラトニックなものが結構好きなんです。
そういうBLだったら私も描ける気がして」
男子ふたりのほっこりごはん、それぞれの仕事場での姿、そしてほのかな恋愛模様はたしかに日常的なのだが、「不思議なマンガを描く」