2019年11月28日 20:20
話題作の女性監督が現場の性差別を吐露 「私が男なら絶対されなかった」
―そのなかでも、大変だったのはどんなことでしょうか?
監督一番大きな問題となったのは、人とのコミュニケーションでした。というのも、ジブリや新海誠監督の作品のように、システムがきちんと確立されている日本とは違って、台湾ではオリジナルのアニメーションを作る環境がまったく整っていません。
それもあって、私はこの作品のために自分でスタジオを設立したわけですが、私が頼んだアニメーターたちは学校を出たばかりの新人にもかかわらず、みんなアーティスト気取りで、自分のやり方が正しいと思っている人ばかりだったんです。そんな彼らを説得するのは、本当に大変なことでしたね。
ただ、私は自分の意見が通りやすくなるように、自分のお金をかけてスタジオを作ったので、彼らには私の目の前で一生懸命働いてもらうようにお願いしました。とはいえ、私の監視下で自由がないことに不満もあったようですし、「はいはい」と言いながらも全然やってくれないケースも多くありましたが、その理由のひとつは、私が女性であったからです。
女性ならではの難しさに直面した
―つまり、台湾にも男女差別がまだまだ根強くあるという意味ですか?
監督もちろんありますよ!なので、今回は男性社会のなかで女性としてどうやっていくかという難しさにも直面しました。