2019年12月12日 19:10
あなたは見つけられる? 『ひつじのショーン』に隠された名作の数々
キャラクターの“ハート”を大事にしている
―それだけ考え込まれたキャラクターだけに、本作では全編セリフがないにも関わらず、感情が見事に伝わってきます。ここまでの高い表現力はどのように生み出されているのですか?
監督アードマン・ アニメーションズでは、どのキャラクターも観客のみなさんときちんと通じ合うために、それぞれが持つ“ハート”がどんなものなのかというのをすごく大切にしています。
なかでも表情で重要なのは、目とまゆげ。僕は、それだけでも感情を伝えられると考えています。そのほかに苦労したのは、「足がないルーラをどういうふうに動かすか」ということでした。ただ、エネルギーと好奇心でいっぱいな感じで世界を見ている様子を表したかったので、横から見るとつねに前のめりの姿勢になっているんですよ。
それは、私の娘たちが幼いときに、何に対しても目を見張って近づいていこうとしていた様子からインスパイアされました。それによって、おもしろいと思ったことにはまっしぐらなスピード感を表現できたと思います。
―では、本作を制作するうえで一番の難しかったのはどんなことですか?
監督これまでとは違うロケーションに連れて行くだけでなく、新しいキャラクターも登場するので、技術面でも内容面でもより複雑で野心的な企画でした。