2019年12月19日 20:20
W不倫の夫婦が迎える結末…フランス流から学ぶ大人の恋愛関係
ちなみに、前作『パーソナル・ショッパー』とはかなりテイストの違う作品だと感じましたが、意識された部分もありますか?
監督実は、私のなかでは『パーソナル・ショッパー』と『冬時間のパリ』はそこまで遠い作品だとは思っていません。なぜなら、アプローチやアングルは違うものの、『パーソナル・ショッパー』がひとりの孤独な女性が新しいインターネットの世界と対峙している作品だとしたら、今回の作品は新たにデジタル化が進むなかで、「本当にここに価値があるんだろうか」と疑問を提示している作品だからです。
―なるほど。ただ、デジタル化に疑問を感じている人がいるいっぽうで、現代は大半の人がSNSやインターネットなしでは生活できないような状況にあります。デジタル化の波は映画業界にもあったと思いますが、そのことに関してはどう感じていますか?
監督もちろん、映画業界におけるデジタル化も昔から言われていることですが、90年代に起きた音のデジタル化が一番初めでした。そうやってさまざまなプロセスがデジタル化され、再編成されていく変化は、私が映画を撮る過程ですべて経験しています。
なので、私からすると、映画業界のデジタル化はすでになされてしまった過去のものなんですよ。