2019年12月19日 20:20
W不倫の夫婦が迎える結末…フランス流から学ぶ大人の恋愛関係
この10年で自分が変わったことに気がついた
―この脚本を最初に書いたのは10年ほど前だったそうですが、この10年という時間が作品に与えた影響もありましたか?
監督確かに、この作品のルーツはかなり昔ですが、結果として映画にはならなかったので、日の目を見ることはありませんでした。ただ、これまでにその脚本は何度も読み返していたので、ずっと心のなかでキープしていたところはありますが、いま思うと最初の内容はもっとドラマチックだったと思います。
でも、実はそれに対してどこか違和感があったり、感情移入できないところがあったんです。そのときに、「この10年で僕自身が変わったんだ」ということに気がつきました。そこで、脚本に書かれている言動や時代についてもう一度考え、新たに作り直したのが今回の作品です。
(以下、一部ネタバレを含みます)
―ラストはパリではなく、マヨルカ島でそれぞれが落ち着くところに落ち着きますが、このシーンに込めた思いを教えてください。
監督まず、僕としては4人が勢ぞろいするラストにしたかったというのがありました。しかも、想像していたのは、屋外の光にあふれている明るい場所で、人間の自然な感情に影響を及ぼしているシーン。