2020年1月1日 20:00
“みんな仲良く一緒に”はNG? 「多様化する社会」を堀潤が解説
みんながビールを頼むなか、勇気を出してノンアルコールを頼みます。
堀:マジョリティの意見は本人の気づかないところで脅威になりやすいんですよね。この数か月、僕は香港を取材していますが、これまでの香港区議会では民主派は2割と少数派でした。ところが11月の選挙で8割以上に。すると、それまでデモ隊を強く弾圧していた警官が、自分たちがマイノリティに変わったとわかった途端におびえ始めたんです。
五月女:立場が逆転したんですね。
堀:多様性といっても、何もせずに「対等」はありえない。そのことは自覚しておいたほうがいいでしょう。
日本では、これまでは会社員がマジョリティでしたが、2020年以降、雇用の流動が進めば、フリーランスが多数派に変わるかもしれません。家族の形も変化して、いまは夫婦別姓に反対する保守派がマジョリティですが、選択的夫婦別姓の議案が再び持ち上がるかもしれません。
五月女:フリーランスの私は、常にマイノリティの意識でいました。でも、マジョリティに変わったら威張ってしまうんでしょうか?
堀:マジョリティがマイノリティにすり替わったとき、マジョリティだった人たちは防衛本能から「(立場を)