くらし情報『戦前の構図とよく似てる!? 「民主主義の歪み」を堀潤が解説』

2020年1月15日 20:50

戦前の構図とよく似てる!? 「民主主義の歪み」を堀潤が解説

しかし、それはあくまで経済発展を基準にした価値観です。独裁的なトップのスピーディな決定により、開発のために個人の土地が強制的に奪われるようなことが、カンボジアやアフリカや南米で起きています。個人の尊厳に価値を置いて世界を見渡せば、個人が国家に弾圧されている状態。それは、民主主義が欲望に耐えられなかった結果なのだと思います。賃金格差が広がり、教育格差が固定されてしまうと、階層社会の下層に追いやられてしまった人は、這い上がることができなくなります。生活の安定を求めて共産主義的なものを求める貧困層と、資本を持ち、大きな力で帝国を築こうとする国家主義がぶつかりあう。これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦の始まるころの構図とよく似ているのです。

いま個人に最も必要なのは、自分の尊厳を維持できるかどうか。
「仕方がない」と魂を売らずに、誇りを持って自分を大切にしてほしいなと思います。
戦前の構図とよく似てる!? 「民主主義の歪み」を堀潤が解説


ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。

※『anan』2020年1月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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