2020年2月26日 20:10
「日本は美しい秩序がある」大ヒット映画の中国人監督が感嘆した理由
最後のシーンにどのくらい時間をかけたのかを正確に計算したわけではないですが、この映画の制作にかかった期間は、およそ9か月。後半のシーンには、その約半分を費やしています。特に長回しのところでは、撮影中にどうすればスムーズに進めるのか、細かくコミュニケーションを取り、みんなの呼吸を合わせるためのリハーサルを何度もしなければいけなかったので、とてつもない挑戦ではありました。
―前作でも40分ワンカットのシーンがあり、長回しは監督の作品において特徴のひとつでもありますが、長回しならではの魅力はどんなところですか?
監督たとえば、『凱里ブルース』では時間をテーマにした映画だったということもあり、時間を完全な状態で表現したいと思い、長回しという手法を取りました。本作は記憶と夢が中心ではありますが、時間と空間を提示するためには、時間の構造をそのまま体験していただきたかったので、今回も長回しが有効だったと思っています。
日本のカルチャーには親しみを感じている
―なるほど。ちなみに、もともと映画監督になろうと思ったきっかけは何ですか?
監督大学に入ったとき、初めてたくさんの映画を観るようになったんですが、そこで「アンドレイ・タルコフスキー監督のような作品を撮りたい」