2020年2月27日 20:40
「日本にも貧困は存在している」世界が注目する監督が訴えたい思い
ラジ・リ監督&スティーヴ・ティアンチューさん!
あのスパイク・リー監督が才能を認め、フランスの新鋭として脚光を浴びているラジ・リ監督(写真・右)。監督の出身地であり、現在も暮らしているモンフェルメイユを舞台に、自身の体験を織り交ぜて描いているのが本作です。
それゆえに、リアルな臨場感が絶賛されていますが、その世界観を支えている1人が、劇中に市長役で登場しているスティーヴさん(写真・左)。監督に同行して来日していたところ、急遽取材に参加してくれましたので、当事者の目線から伝えたい思いや現実で起きていることの悲惨さについておふたりから語っていただきました。
―本作は、世界中に知られているヴィクトル・ユゴーの小説と同じタイトルということで、その裏にはさまざまな監督の考えがあると思いますが、このタイトルに込めた思いから教えてください。
監督意図はたくさんありますが、まず『レ・ミゼラブル』にはフランス語で「悲惨な人々」という意味があるので、このタイトルには僕が描きたかったモンフェルメイユ地区の貧困や悲惨な社会的状況が体現されていると感じたからです。もちろん、フランス文学の巨匠でもあるヴィクトル・ユゴーを意識していますし、彼の小説の舞台と同じであることも理由ではあります。