2020年2月27日 20:40
「日本にも貧困は存在している」世界が注目する監督が訴えたい思い
多くの人に自分の作品を観てもらうための戦いは、自分の人生のなかでもそれなりにあったので、それが今回の作品で成功したのはうれしいことですよね。パリ郊外の黒人監督がカンヌ国際映画祭で審査員賞受賞を受賞したことも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞といった賞にノミネートされることも初めてだったと思うので、非常に光栄なことです。
―そういった経験は、今後のモチベーションにもつながっているのではないでしょうか?
監督自分の目標のひとつにあるのは、「いい意味での前例やモデルになりたい」ということ。僕にでもこれだけのことができたのだから、次の世代の子どもたちにもついてきてほしいし、こういうことも可能なんだということ知ってほしいので、その目的は果たせたんじゃないかなと思っています。
それもあって、いまは映画学校も作ったんですが、そのなかで良い方向への追随性が生まれ、みんなが続いてくれたらいいですね。それがいまの僕が持っている野心です。
観客全員に自問自答してほしい
―ラストは非常に衝撃的でしたが、最後にこのシーンに込めた思いを教えてください。
監督実は、あのシーンは実際に僕の目の前で起きた出来事からインスパイアされています。