でも、次にそこを意識してやってみると、なんだかさっきよりやりやすかったとか、少し心が動いたなって思える。まだまだすっごい怖いけれど、楽しかったりもします」
悩んだり、壁にぶち当たったりすることも含めて「楽しい」こと。
「お芝居していると、悩むことのほうが圧倒的に多いんです。それでも、勉強にならない現場はひとつもないと思うし、終わった時に、絶対にやってよかったって思うだろうっていうことは、自分のなかでわかっているんです」
幼い頃からテレビっ子で、大のドラマ好きだったという。それがいつしか自分も演じてみたいという夢へと変わり、いまの事務所に。
「悔しい思いをしながら頑張る、っていうのがもともと好きだったんだと思います。泣きながら部活を頑張るドキュメンタリーを見て、いいなと思っていたりしましたから。たぶん私も、必死に頑張れることを探していて、それがたまたま自分の好きなお芝居だったのかもしれません」
静かななかに、熱い情熱と強い意志を秘め、清々しいほどまっすぐ誠実に役へと向かっていく。
それが杉咲さんの演技に色気を感じる理由なのかもしれない。
ドレス¥54,000(ロエフ/ユナイテッドアローズ青山ウィメンズストア TEL:03・5468・2255)