2020年3月31日 19:30
柳楽優弥「ほんとヤバい!」田中泯とそろって葛飾北斎役に頭を抱えた理由
世界的にも知られる浮世絵師・葛飾北斎というひとりの人物に映画『HOKUSAI』で役を通して向き合った柳楽優弥さんと田中泯さんのおふたり。演じる中で感じた、表現者にとっての道しるべとは。
――映画『HOKUSAI』で、片や青年期、片や老年期の北斎を演じた柳楽優弥さんと田中泯さん。
柳楽:今回、泯さんと同じ役柄を共に演じられたというのは、すごくハッピーなことでした。
田中:僕もハッピーでしたよ。もともと不器用で、なんでもできる人間じゃありません。北斎は実在したことははっきりしているのに、実像はわかっていない。その人を演じるのだから、こんなヤバイことないですよ。
柳楽:ほんとヤバいですよね。それこそ北斎の青年期って、調べても調べても情報が全然出てこないのですごく難しくて。監督たちと何度も話し合って、あんまり繊細な感じではなく、アーティストらしいアクの強さを目指しました。
田中:この映画のある場面で、ふたりの北斎が共演しているシーンがあるんだけれど、あれが僕はすっごく楽しかった。
柳楽:僕もです。
田中:現実にはありえない場面だし、隣にいるだけなのに、なんというか…自分の中で感覚が混ざっていく感じがあったんだよね。