2020年3月25日 21:00
“世界でいちばん貧しい大統領”ムヒカがいまの世界に伝えたい思い
監督僕は撮影のエピソードなどについてはあまり話をしないほうなので詳細は控えますが、お金や時間の制限が多い昨今では、映画作りに費やすことができる時間が短くなっています。
そんななかでも、幸いなことに本作には3年半もの年月をかけることができました。しかも、僕はその期間中、ほとんどムヒカと一緒に時間を過ごすことができたのです。だからこそ、ムヒカを激しく批判する男性と本人が対面するシーンも撮影することができたんだと思います。
―監督は、初めてムヒカさんの写真を見たときに「世界で腐敗していない唯一の政治家だ」と感じたそうですが、実際に会われてみて、どのような印象を受けましたか?
監督僕から言わせると、彼は電磁波のようなものを発している人。もし彼が役者だったら世界でもっとも素晴らしい役者になったんじゃないかな(笑)。それほど自然な魅力を持ちながら、すべてのバリアを壊してしまう力を秘めた人なんですよね。
たとえギリシャ神話のヒーローやのボディビルダーのような肉体を持っていなくても、人間的な強さを内側に持っている人なんです。
妻がいなければいまのムヒカにはならなかった
―そんなムヒカさんを語るうえで欠かせないのは、妻ルシアさんの存在が挙げられます。