2020年4月2日 18:30
『洋食 KUCHIBUE』店主・坂田阿希子「噴きこぼれていてこそグラタン」
ドッジボールもバスン!(ボールを受け止める)ボンボンボン(ドリブル)、バシッ!(当てる)って感じに。
――いきなり中心メンバーになったわけですね。
坂田:何かを作ることに興味を持ち始めたのもちょうどその頃。もともとお菓子のレシピ本は好きで、よく図書館で借りては眺めて、想像を膨らませていたんですよ。で、ある時、クッキーを焼いて学校に持っていったんです。「先生にはナイショね、ちょっと焦げちゃったんだけどさ~」なんて言いながら、女の子数人で食べていた。そうしたら、それを遠巻きに見ていた男子がひとり、給食で出される銀紙に包まれた四角い8gのバターを持ってきて、「これで俺にもクッキー焼いてくれ」って。
――かわいい(笑)。
坂田:「これだけじゃ何もできないよ」って言ったら、まわりの男子たちが「俺も」と持ってきて、10個集まったんです。それで、その80gのバターでクッキーを焼いて次の日持っていったら、みんながすごく喜んでくれて。今思えばおおらかな時代ですよね。そんな感じで、しばらくクッキーを焼いていた時期がありました。
――そこが料理家としての原点だったのでしょうか!?
坂田:どうでしょうね。