どこかの国で新型の疾病が発生していると聞きつけると、WHOの職員が現地に入り、徹底的な調査をし、処置および対応をしていきます。各国で研究のバラつきがある医学情報は整理し、医療の弱っている国や地域に対しては支援や指導も行って、対策も講じています。
WHOのこれまでの大きな功績といえば、天然痘を撲滅したことです。1958年に天然痘根絶計画を掲げ、徹底的な調査、治療、ワクチン開発を行い、封じ込め作戦により1977年には世界中から消え去り、1980年に根絶宣言をしました。
いま世界的な混乱をきたしている、新型コロナウイルス感染症について、WHOは1月末に緊急事態宣言をし、3月中旬にパンデミックとみなすと発表しました。WHOがイニシアティブをとって、現状調査、対応、認定、支援を行うことで、そこで集めた情報がワクチンの開発に生かされています。国を超えて、人とモノの移動が激しくなっている現代だからこそ、深刻な事態に陥っており、国際協調が必須になっているんですね。
堀 潤ジャーナリスト。
元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)