『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』
マンガ:森泉岳土原作:村上春樹、G・オーウェル河出書房新社1100円©森泉岳土/河出書房新社
人の心情をわかったふりをして腑分けすることを避け、それゆえにいかようにも想像が広がる村上春樹の世界。歴史や過去が修正され続ける徹底した監視社会下でささやかな抵抗を試みるウィンストンの変化が怖くなる世紀の傑作。マンガで読んでも最高だ。
原作の雰囲気を見事に再現。ずっと眺めていたくなる。
『愛人 ‐ラマン‐』
マンガ:高浜寛原作:マルグリット・デュラスリイド社(トーチ comics)1500円©高浜寛/リイド社
原作は、1984年にフランスの名誉ある文学賞「ゴンクール賞」を受賞した、M・デュラスの自伝的小説。貧しいフランス人少女と裕福な華僑の青年との切なすぎる初恋物語は感涙必至だ。オールカラーで描かれたひとコマひとコマがうっとりするほど美しい。
有名すぎる文豪作品にも本書なら気軽に触れられる。
『よちよち文藝部 世界文學篇』
久世番子文藝春秋1000円©久世番子/『よちよち文藝部 世界文學篇』文藝春秋
『高慢と偏見』『風と共に去りぬ』『百年の孤独』などタイトルもあらすじも知っているが、実はちゃんと読んだことがないという人率が高そうな名作たち。