2020年5月24日 19:30
松居大悟「本当は早稲田に行きたかった。慶應はイヤだった」その理由は?
だから劇団員も男だけで、ひたすらダメな男たちが右往左往するような演劇をやるしかなかったというか。
――ゴジゲンの舞台は、ある時期まで“童貞”が最重要テーマでしたよね。
松居:それは僕が童貞だったからですね。20代後半までは、童貞たちを励ましたい、世界で一番正しいのは童貞だ!そう思ってやってました。
――それが次第に評価されて、次に繋がっていった。
松居:童貞コメディ劇団ってことで、下北沢の演劇シーンでちょっとだけ評価されるようになり、その流れで、童貞男子たちの妄想を描いた映画『アフロ田中』の監督をやらないかっていう話がきて、初めて映画の監督をやりました。プロデューサーからは「映画の公開までは童貞キープでお願いします」って言われて。
――キープしたんですか?
松居:しました。
というか、そんなチャンスもなく、余裕でできました。
――とはいえ、いつまでも童貞だけをテーマにするわけにもいかず。
松居:さすがに何年間もそればっかりやっていたので、もうコンプレックスもなくなってきたな、っていうのは思ってました。そこで転機となったのが、バンドのクリープハイプです。それまでは、自分の内側にあるものを創作意欲にしていたのが、彼らのミュージックビデオを監督した時に、それとは別の引き出しを開けて、しかも同世代の表現者と一緒に、作品をつくる喜びを知ったんです。