2020年5月27日 19:10
くるりの全歴史を凝縮!? “裏ベスト”的なアルバムが急遽リリース
を想起させ、胸が掻きむしられる。
2011年3.11の直後、恐怖に怯えながらも、新たな一歩を踏み出すべく行ったセッションから生まれた「ippo」。岸田と佐藤征史、後にメンバーとして加入する吉田省念が分担して作曲し、セッションに参加した全員で作詞をしたという。未曽有の大災害を受け、振り切れたような楽天性かつ全能感に溢れたサイケデリックな民謡調の曲だ。
2012年、アルバム『坩堝の電圧』の制作に向かう中で生まれたという「evergreen」は、ボーカルの録音とミックスを今年3月に行い、8年の歳月を経て完成した曲。たおやかなバロック・ポップで、脈々と続く時間の流れの中で、本当に大切なものを抱きしめるかのような気持ちが漂っている。
たくさんの出会いと別れを経験しながら、その土地の匂い、時代の空気を豊潤な音楽にとじ込め続けてきたくるり。2007年、ウィーンに滞在しながらアルバム『ワルツを踊れ』の制作を行う時期に作られた佐藤によるインストゥルメンタル「Hotel Evropa」や、マサチューセッツ州でアルバム『NIKKI』に向けてのレコーディング中に生まれたという、驚くほどパンキッシュなロックンロール「さっきの女の子」