2020年6月10日 20:30
“寝汗びっちょり”は要注意 漢方的に注意すべき“汗のかき方”とは?
今が旬のさくらんぼやさやいんげんのほか、甘酒にも「補気(ほき)」の作用があります。
実は寝汗も要注意。体の潤い不足を疑って。
もうひとつ、不調の兆候として挙げられるのが「盗汗(とうかん)」。睡眠中にかく汗のことで、いわゆる寝汗を指します。夏は寝汗をかきやすいシーズンですが、室温調節をしてもびっしょりと汗をかくようなら要注意です。
盗汗が生じる原因は、「陰虚(いんきょ)」。これまでも何度か出てきましたが、潤いが不足している状態です。
熱を抑える陰が足りないために熱が体内にこもってしまい、過剰な発汗につながる…というのがその仕組み。汗のトラブルとともにほてりやのぼせがある場合は、この陰虚を疑います。陰を補うには、いかや、ほたての貝柱、かきなどの貝類のほか、アスパラガスやおくらがおすすめ。ふだんは体を冷やすために控えたいトマトやきゅうりといった夏野菜や、ヨーグルトも、盗汗対策には良いでしょう。
汗を大量にかくことは、「水分代謝がいい」など健康なイメージがあるようですが、必ずしもそうとは限りません。汗とともに他の不調にも悩んでいるなら、どうぞ早めの養生を。
さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。