2020年6月19日 19:10
ポン・ジュノ監督成功の裏で反省も…女性監督が語る韓国映画界のいま
本作が初の長編作品となりますが、完成までの道のりを振り返った心境や今後のこと、さらには韓国映画界のいまについても語っていただきました。
―本作はシナリオだけで4年かけ、30代の多くの時間をこの作品に捧げて完成させたとのことですが、一番苦労したのはどのあたりでしょうか?
監督もともと私は文章を書いたりするのが好きなので、シナリオを書くのは楽しかったんですが、気苦労のひとつは、出資会社が見つからなかったこと。政府からの支援金をもらうまでも何年もかかったので、製作費が集まらなくて本当に苦労しました。
―創作活動とは別の現実的な問題のほうが大きかったのですね。
監督そうですね。とはいえ、シナリオを書いているときは楽しいだけでなく、苦労した点もありました。なかでも、完成度を高めるためにディテールにこだわり、何度も修正したのは大変でしたね。なぜなら、人間というのは複雑なものなので、「善か悪か」「白か黒か」と決めつけてひとつの面しか見せないようなキャラクターや物語にしたくなかったからです。
だからこそ、キャラクターを描くうえで、“ボーダーライン”をさまよっているような様子を入れることを意識しました。