2016年3月8日 22:00
「漫画の本当の凄みを伝えたい」浦沢直樹企画の「漫勉」がスゴイ!
みなさんにも創作の瞬間を映像で見てもらえば、どれだけ芳醇な文化に浸かっていたのか知ってもらえて、漫画の楽しみ方が増えるんじゃないかと思ったんです」
浦沢さんは連載を抱えながらもキャスティングに始まり、撮影、台本チェック、ナレーション録り、音楽、編集など―すべてに力を注ぐ。
「これまでの漫画に関するテレビ出演では、0から一生懸命伝えようとしても、1にも届かず終わっていたんです。その体験から、番組をつくるには制作から携わらないとダメだということがわかった。でも、民放各局に企画を提案したけどダメだったらしいです。地でエンタメとして成立しないと。だけど、漫画が立ち上がる過程の面白さがいざ放映されたら『ウチでやりたかった』と皆さん言っていたそうです」
一連の番組作りでいちばんネックなのは人選だ。「漫画家は顔出しNGの人が多いんです。なので、顔をその漫画家さんの作品のキャラクターで隠したりして顔を出さなくても成立する回を実現させてみたいですね。
登場した方々のあまりに凄い仕事ぶりに心折れる人もいたそうですが、一方で、漫画家に限らず多くの人から『漫勉を見るとやる気になる』『自分も頑張ろう』という声があがったのがうれしかったですね」