2020年7月11日 20:00
『攻殻機動隊』最新作の“新キャラ”誕生秘話 監督2人が明かす
攻殻機動隊という題材を3DCGで、かつ僕とは違う経験を持つ神山さんとつくることができれば、表現の幅が広がるのではと期待しました。
――今作ではどのようなテーマを意識して物語をつくりましたか?
神山:僕は脚本を書く時、「人間」と「社会」と「今」の要素を対比させながらイメージを膨らませています。特に、いつも「人間」を深く掘り下げて描いていると思うんです。『STAND ALONE COMPLEX』でも「人間」を描いていました。人は個でありながら、社会を形成して初めて人間たり得ている。テクノロジーを使うのも人間です。今作では、人間と対比した「社会」と「今」を描くために、「経済(社会)」と「AI(今)」の要素を取り入れています。経済を継続させていくための戦争“サスティナブル・ウォー”や、いずれ来ると言われているAIが人の知性を超える瞬間“シンギュラリティ”の設定を物語の中心に据えている。
経済が破綻し、テクノロジーが発達した世界で、人間はどう生きていくのか、そんなことを考えて今作の物語を描きました。
――作品の制作過程において、どのような苦労を感じましたか?
神山:僕ら自身、この物語がどこに帰結していくか分からず手探りで、紡いでいくのが大変。